エビ神 3行ニュース 過去に辛いことあった人向け

楽しく生きるための考え方とヒント集

ぼくらはエイリアンに恋する。(4)

おばあちゃん「サメオー!!殺すことないじゃろおー。ぁああ、我が子のように可愛がっていたこの子を……

おばあちゃんは泣き出した。

用心棒のノリオはおばあちゃんのところに駆け寄り、背中をさする。

ノリオ「お母さん!もうやめよう!こんなこと!もう潮時だよ!!」

用心棒はおばあちゃんの息子だったようだ。

ドアから双子のエイリアンが出てくる。エイリアンは5歳ぐらいだろうか。

ぼくは、そのエイリアンに銃口を向ける。

おばあちゃんは泣きながら叫ぶ。

おばあちゃん「その子らまで、殺さないでくれぇ!」

用心棒は咄嗟に双子のエイリアンの前に立ちはだかる。

用心棒は必死だ。


マキはぼくが構えている銃身を手で下げた。

用心棒が語り出した。

マキは用心棒の話を聞く。

••••••

彼らは、もともと真面目に宇宙船を売ることで、生計を立てていた。だが、家族を食べさせることが出来ず、いつのまにか労働用エイリアンを使って、宇宙に行きたい観光客や個人の捕獲業者を狙う強盗になってしまった。

そんな犯罪を繰り返す内に、おばあちゃんは労働用エイリアンにだんだんと愛着がわいてきたのだろう。

そんな中、ルースが欲しいというエイリアンのワガママを叶えさせてあげたくなった。


ルース「ほんと!自分勝手!勝手に泣いてるし!」

ルースは自分でロングスカートをめくりあげ、サイケデリックな色に輝く尻尾をおばあちゃんのクビに向ける。

おばあちゃんは動かない。まだ泣いている。

ノリオ「もう、頼む。やめてくれ!」

用心棒は拳を握りしめ、ルースの方を見る。


マキ「ルース!尻尾を引っ込めな!」

マキには、ある計算があるようだ。

ルースはイライラしながらもマキの声に従った。

スルスルとロングスカートの中に尻尾が入っていく。


ジック「エイリアンは、ただの道具なのかな。」

ジックは独り言のように話す。

マキはいう。

マキ「いや、このばばあにとっては息子だったのだろうね。でも、武器として使ってしまえば、それは道具だよ。」

おばあちゃん「うぅう……

ノリオ「昔みたいに宇宙船をまじめに売ろうよ!母さん!もうエイリアンを強盗目的に使うのをやめなきゃ!」


ぼく「ふん。勝手に真面目になってろ。そもそも当たり前のことだろうが。この宇宙船はもらっていくからな。」

ノリオ「はい……。」

マキ「まあまあミウラ、ただで貰っていくのは気がひけるよね。そうだなあ。少し錆びているし塗装してもらおうか。特に通報はしないでやるからさ。この宇宙船とセットで30万円で、できるよね?」

マキは笑いながら電撃棒を双子のエイリアンに向ける。

ノリオ「……!」

ジック「ふっかけるね

ノリオ「分かりましたあ!」

ノリオは変な汗をかいている。

妙なプレッシャーが額をじとっと舐める

ノリオは思う。

(そうだ!この感覚だ!昔、納期に間に合わせるために、必死に働いたこの感覚!思い出すぜ!)

用心棒の顔つきが変わる。

マキ「じゃあ、この色でよろしく。ちなみに、ここにはさ、……

マキはデザインを細かく伝え、指示をする。

マキ「今日の夜、取りにくるからそれまでに必ず終わらせといて。」   


………ノリオはテキパキと気合を入れて整備をした。


夜。ぼくらは宇宙船を取りに来た。

夜の作業場のライトで明るく照らされる宇宙船はショッキングピンクで全面塗装されていた。マキの愛車と同じ色だ。

船体にはデカデカとマキタンクと記載されている。

金色の文字だ。

ノリオは何故か自信満々の顔をしている。

すっかり技術者の顔だ。

ぼく「まじかよ……こんな恥ずかしい船に乗るのか……

マキ「おー!いいねー!こいつの名はマキタンク!」

ルースは今日1番の笑顔だ。キラキラと目を輝かせている。

ルースは気に入っているようだ。

ジック「ねー、これ中古だろうけど、事故とか大丈夫だよね?わざとネジ抜いたとかないよね?この船。」

ジックはノリオに聞く。

ノリオ「整備士の誇りに誓う!大丈夫だ!」

ノリオは誇らしげだ。胸を張っている。

おばあちゃんがマキに話しかける。目の周りが赤い。

おばあちゃん「おねえちゃん、そして坊主。マキとミウラと言ったか。正直に申すと、わしのエイリアンが殺されたことに心の整理がついていないんじゃ。だが、これからも強盗じみたことを続けていたら、かわいい双子のエイリアンも同じことになるんじゃないかろうかと思ってのう。だから、息子のいうとおり、キッパリやめることにしたのじゃ。」

ぼく「ふん。勝手にしろ。おまえらの将来なんて、どうでもいい。ジック、そういえば、さっきのサメエイリアンをの報奨金はいくらだ?」

マキ「ほう。ミウラ。なかなか鋭い。報奨金のことをすっかり忘れていたよ。」

ノリオ「まってくれ!!うちの母さんが可愛がっていたんだ!死体まで持って行かないでくれ!ちゃんと埋葬させてくれ!」

ジック「あっ、えーと報奨金300万円って台帳に記載されているよ。え?どうするの?」

ぼく「おい、ばばあ。死体をどこに隠した?」

おばあさん「なんと……無慈悲な……

ルース「ねーねーマキ。300万円どうしても必要なの?」

マキ「そうだねえ。必要なの?と聞かれれば必要だねえ。これから船の燃料費とかお金かかるしね。」

ぼく「……おい。マキ。なんか勘違いしてないか?その300万円は俺の金だぞ。ちょっと前に、みんなで俺の貯金額をバカにしたよな?おれはそれが許せないんだ」


ここにいる全員が再び、ぼくの方を見た。

みんなの視線は、いわゆるジト目だ。


マキ「気がかわったよ。ばばあ、死体を丁寧に埋葬してやりなよ。よし、みんな船にのるよ。」

マキはぼくを呆れた顔で見たあと、何も言わず船に乗りこむ。

おばあちゃんは、ほっとした表情をしている。

ぼく「おいちょっ待てよ!なんでだよ!」

ジックはぼくの方をチラッと見る。

その後、無言で首をかしげ、ぼくに背中を向ける。

ルース「ドンマイ。ミウラ。」

ルースはそう一言、言うと、ぼくを置いてジックの背中を追う。

船内に向かっていく。

ぼく「おかしいだろ!おい!みんな!」

ノリオは、そんなぼくを見て、にやにやしていた。 

ぼくは腹が立ち、用心棒に銃口を向けた。

ノリオ「ひいぃ。すみませんっ!」

ぼくは、用心棒を睨んだ後、宇宙船に乗った。

ーーーーー

マキは運転席に座り、足をだらしなくカウンターにのせる。説明書を読んでいる。

この宇宙船は少人数旅行向けで大型トラックぐらいの大きさだ。

マキはぼくらを見つめる。

マキ「よし、じゃあ今から出発するよ」

ジック「え!今から!?出発!?急だね!」

ルース「いえーい!宇宙渡航!」

ぼく「まじかよ

マキはそういうと、モニターのスタートボタンを押す。

マキ「しゅっぱーつ!」

ルース「しゅっぱーつ!」


ポーン!ポン!


思った以上に軽いかわいい音が二回なる。

風船のようにふわふわと上がる。

振動は多少あるが、立っていても平気だ。

船体は上空へ飛び立つ。

窓からは下を見ると、

双子のエイリアンが手をふっている。

ノリオは胸を張り、自慢気だ。

おばあちゃんは無表情で中指を立てていた。

まだ、心の整理がついていないのだろう。


ボン!


船体はさらに上空へいく。スピードが上がる。

あっという間に見えなくなった。


夜景が目に入る。

ジック「ルースちゃん!きれいだね!」

ルース「うん!きれい!なんか不思議な感じ!」

2人は仲良く話している。

夜景も少しずつ遠くなり、大気圏を抜けていく。

ぼくたちは宇宙船と一緒にふわふわと浮きだす。

ルースは、長い尻尾を出していた。

地球から解放されたからだろうか。

長い尻尾がくれくねと動く。喜んでいるように見える。


マキ「なんだよ〜車の運転より簡単じゃないか〜」

モニターの画面が赤から青くなる。安定したようだ。

マキは安心した表情をしている。

次にモニターには座標の画面がでる。

惑星の座標を入力すれば、自動でワープしてくれるようだ。

ジック「まあ、車の運転よりはそうだよね。見てのとおり、ほとんど自動運転だもんね」

マキ「車の運転もできないジックくんにそう言われると、自動運転を切りたくなるなあ!さてと、そろそろ会議をするかあ」

マキは少しバカにされたように感じたのか、反抗的な態度をとり、話をそらす。

マキはルースの方を見ていた。

ぼく「ルース?どうした?」

ルースが窓の外の暗闇をじっと見つめ、暗闇に対して手を伸ばしている。

ルース「ねーみうら。この前のキャンプ場から見たときより少しだけ近くなったよね!」

遠くの星を見ながらルースは話す。

ぼく「ああ。そうだな。」

ルース「ねえ、ちゃんと帰れるかな?」

ルースの帰巣本能が宇宙空間にいることで、強くなったようだ。

ぼく「まあ、なんとかなるんじゃないか。これから、たくさんの星にいくからな。」

ぼくはルースの真剣な眼差しに対して、確信をもって見つかると言うことはできなかった。

すると、マキが口を開く。

マキ「ルースにはっきりと伝えておく話がある。今からする話が会議でもあるんだ。」

ルース「なんだよ!マキ!急に!」

ジックは顔を何気なく下に向ける。マキがルースに何をいうか分かったようだ。

ぼくにはわからない。

マキ「前回のエイリアン産業先進5カ国サミットの話だ。しっているか?」

ルース「知らないけど!!なんか文句ある?」

ルースはマキに対して強気な時がある。

マキ「そのサミットで各国共通の惑星渡航範囲が定められたんだ。その渡航範囲っていうのが、エリア2000とされている。つまりな、地球の文明レベルを超えない連なる約2000の惑星しか、わたしたちは行くことができないんだよ」

ルース「はあ?はじめて聞いたんだけど!どういうこと?」

マキ「地球より文明レベルが進んでいる惑星があったとしても、その惑星からエイリアンを連れてくることはもちろん、その星に行くことすら禁止されているんだよ。理由は急激な技術革新は危険であるという判断と地球の情報の流出防止といわれている。今、この捕獲台帳に載っているのは全部エリア2000内の惑星なんだよ。それ以外の座標は今のわたしたちでは知ることすらできないんだ。」

マキは遠回しに話している。


ジックは頭をあげ、話し出す。

ジック「まあ、ルース聞いてよ。今、地球にいるエイリアンは、ある意味、文明レベルが地球よりも進んでいない星の出身なんだよ。文明レベルが進んでいないということは知能も低いと言えるんだ。だから、ソルを打たなければ言語も覚えられてないような動物的なエイリアンばかりなんだよ。だからルースみたいに、自分で言葉を覚えるような知能の高いエイリ...

ルースはジックの言葉を遮る。

ルース「あーそういうことか。わかった。もう話さなくていいよ。つまり、わたしがエリア2000の範囲外のエイリアンってことでしょ?つまり、いけないってことでしょ?」


マキ「そうだ。」

マキは一言いう。


ルース「そっか。」

ルースも一言いう。


次の瞬間、ルースの目から涙が流れた。

エイリアンも涙を流すのかとぼくは思った。

きっと地球の環境がルースの感情をそだてたのだろう。

ぼくは話す。

ぼく「おい。マキ。そうだ、じゃねえよ。エリア2000というの外側にでればいいだけの話だろうが。いい大人がルースを泣かせるんじゃねえ。」

ぼくは真剣に怒っている。


マキは真剣に話し出す。

マキ「そうだな。公表していない惑星の座標情報は各国で厳重に管理されている。その中でエリア2000の外に行く条件、しいては2000外の惑星の座標を手に入れる条件は一つある。それは、エイリアン捕獲業の実績をひたすらつみ目立ちに目立つことだ。するといつしか、第3委員会本部の偉い人間から、こう声をかけられるようになる。「ある惑星にいってほしい。ただし、だれも行ったことのない星だがな」ってな。そして彼は続けていうだろう。「文明レベルは地球より高い。やばいと思ったら即時帰還しろ。」ってな」


ジックはマキの話を聞いて、少し震えているようだ。


ぼく「何をびびってんだよ。ジック。そんなこと、海鮮丼を食っているときから、そう。ルースがチームに入ったときから、おまえなら想定できたことだろうが。」


実はぼくも多少びびっている。

なぜなら、正真正銘の前人未踏の惑星に行き、危険を侵したとしても、その星がルースの星である可能性は全然、期待できないからだ。


ジック「うん。ミウラ、そうだね。ごめん。マキ、一部のその偉い人間が持っている2000外の惑星の座標もそれなりに知ることができるっていう算段だよね。噂だけどエリア2000外の捕獲台帳もあるって聞いたことあるよ。そこにのっている文明レベルの高さから全部レッド指定らしいけど。」

物知りのジックはそう言って、ぼくの不安を拭い去る。

そしてレッド指定という言葉にぼくはどうしても興奮を覚えてしまう。

なぜなら、ぼくの夢は最高のエイリアンを捕獲し、復讐を果たすことだから。


マキ「ジック、そういうことだ。エイリアン捕獲業として、惑星開拓こそ花形であり、使命であると私は信じている!はっきりと言おう!このチームはルースのふるさと探しのためでもミウラの復讐のためではない!第一の目的はマキ、ミウラ、ジック、ルースという名を世に残すためだ。それぞれの夢や願いも叶えたうえ、確実に後世に名を残す!分かったな!これがこのチームの目的だ!」


ルースはまだ泣いている。

ただ、笑みも見えた。


ぼくらは、この日から、台帳に載っている様々な惑星にいき、簡単なブルー指定の依頼からイエロー指定の依頼まで確実に依頼を消化していった。ぼくは猟銃をぶっぱなし、マキは電撃棒や毒撃をくらわせ、様々なエイリアンを捕獲し、時には殺戮していった。

ジックは研究者のごとく惑星固有の植物や鉱石、水などを採取し、製薬のスキルをメキメキとあげていった。

もはや、ジックの知識は製薬会社に勤めている職員のレベルをはるかに超えているに違いない。

ルースは、持ち前の尻尾でぼくやマキの捕獲作業の手伝いをしたり、ジックの手伝いをしたり、オールラウンダーのエイリアンとなっていた。

1週間に一度地球へ帰り物資を補給する。

その時に海鮮丼を必ず食べることが習慣となっていた。地球の海の食べ物はこんなに美味かったのかと食べる度に思う。マキの好物ではあるが、ぼくの好物にもなりそうだ。


ちなみに、マキやジックの言うことは正しいことが分かった。殆どの惑星が、草原という自然、砂漠という自然、ジャングルという自然といった文明レベルは明らかに地球よりも低いものだった。

ちなみに依頼主は様々で、製薬会社から国家、資産家である個人など、多岐にわたっていた。

ぼくらは、プロの捕獲業として依頼主を一切区別せず、確実に業務を遂行していった。


第三委員会本部職員A「おい、マキって知っているか?今月ランキング50に入っているぞ。無名だったよな?」

第三委員会本部職員B「いや、しらねえなー。組織捕獲以外にランキング入ることあんのかよ。おい!登録してから、まだ半年も経ってないぞ!」

ランキング50とは、日本国内のチームごとのエイリアンの捕獲数を示すランキングだ。

ランキングに乗るチーム名にはカッコ書きで捕獲組織が追記されている。スペースモンスター商会、日本宇宙開発公社、ラビットソン産業が三大組織捕獲業者と言われる。

スペースモンスター商会は急速に成長した新興企業で宇宙船開発からペットエイリアンの販売まで、日本の宇宙産業を牽引している組織捕獲業者である。

日本宇宙開発公社は、老舗の総合商社で、スカウト制ではなく採用試験を導入しており、いわゆる捕獲に係るエリートが勤める会社であった。

ラビットソン産業は世界をまたにかける企業であり、本社はアメリカにある。これは日本支部といったところだ。


チームとして顔が広がってきたと実感してきた頃だった。


ある惑星でいつもどおり、エイリアンと闘っていたときマキの携帯端末がなった。

プルプルプルプル

ばぁん!

おおー!おおー!

猿のような叫び声を発するエイリアンが苦しむ。

銃声が響く。

ぼく「よし!あと2匹!ジック!早くソル打ってくれ!」

マキ「はーい。もしもし!だれだよ!今忙しいんだけど!!」

マキは電撃棒を右手にもち、携帯端末を左手にもつ。

ジック「分かった!ルースちゃんはマキのサポートにまわってくれ!」

エイリアン「ぐえぇえ!」

第三委員会本部職員「私、第三委員会支部のフジサワと申します。マキさんの携帯端末でお間違いないでしょうか?」

エイリアンはマキの腕を噛もうとする。

マキ「くっ!そうだけど!いったいなによう!?」

ぼく「マキ!もう一体そっちに行ったぞ!」

マキ「おらあ!しね!」

第三委員会本部職員「はい?音が聞こえづらいですが、私の声は聞こえていますか?」

ガン!

マキの電撃棒がエイリアンの頭部に直撃する。

エイリアン「おおー!おおー!」

ぼく「うしろ、気をつけろ!もう一体いるぞ!ちゃんと位置把握しろ!マキ!」

マキ「うるせぇ!わかんねえよ!ソル打て!」

ルース「おっけー!」

ルースは即座にエイリアンにソルを打つ。

第三委員会本部職員「はい?ソルですか?私に向かってソル打てとは、いったいどういうつもりですか?私の言葉が日本語に聞こえないという意味ですか?あなたがたに行ってほしい惑星があるんですが!」

職員はイライラしている。

もう一体のエイリアンがマキの脚を噛もうとする!

ルース「こらあ!マキは今電話してるんだよ!」

ルースの長い尻尾がエイリアンの首に巻きつく。

ジックは最後のエイリアンにソルを打つ。

エイリアンはすぐに気を失った。遺伝子が急速に書き換えられている。

マキ「わるいわるい。それで、どういった用件で?」

第三委員会本部職員「あなたがたに行ってほしい惑星があるんですが!」

マキ「ついにきたぞ!みんな!」

マキは音声をスピーカーにする。

ぼく「ついにきたか!」

ジック「……!」

ルース「やっと!」

ルースは小さい拳をぐっと握る。

マキ「なんていう星だ?詳しく説明を頼む。」

第三委員会本部「惑星モーツァという星です。エリア2000内の星ですが、つい最近、日本宇宙開発局にて、発見された惑星です。あなたがたが今まで捕獲してきたイエロー指定以下のエイリアンはその星には一切いないと想定されます。おそらくオレンジからレッド指定と想定されますが、先遣隊として参加してもらえませんか。」

ジック「こわいなあ!やっぱり!」

マキ「エリア2000内か。とはいえ、未知の惑星なんだな?それで依頼内容は?」

第三委員会本部「惑星モーツァの食物連鎖一位を捕獲してくることです。一体いれば、構いません。ただし、かならず生きている状態にしてください。なお、ほかのチームも参加しておりますので、いさこざは避けてくださるようお願いします。どこかのチームが捕獲した時点で、この調査は終了となります。参加しますか?」

ぼく「なんだよ。ほかのチームもいるのか。早い者勝ちってやつだな。ふん。関係ねえ。マキ参加するぞ。」

マキ「当然だな!参加する。座標をあとから送ってくれ。」

第三委員会本部「分かりました。報奨金は800万円となります。では、よろしくおねがいします。」

電話が切れた。

ジック「惑星モーツァか。食物連鎖頂点の捕獲依頼ってことは製薬用、つまり研究用のエイリアンじゃないね。これは決闘用エイリアンの依頼だよ。はぁ。」

ジックは目的が研究用のエイリアン捕獲でないことにがっかりしている。

ルース「ふへー。まぁ、一歩前進だよね!」

マキ「そうだな。とりあえず、こいつら、仲介業者に引き渡したら惑星モーツァに向かうぞ。」

エイリアンは日本語を話そうとする。

エイリアン「おれらは、どう、、なる、だ?」

日本語がたどたどしい。

ぼく「知らねえよ。ペットか解剖だろ?達者でな。」

仲介業者が到着した。この仲介業者は顔見知りだ。

仲介業者「では、マキさん、ここにサインを。」

マキはさらさらとサインする。

エイリアン「なあ、おれら、どう、なるんだ?」

仲介業者「ん?もう日本語話せるようになったのか?おまえらは、ある決闘用エイリアンの餌だって聞いてるぞ。だが、その言語能力の習得の速さは一目置かれるかもな。まぁ、あとは運だ。」

ジックは下を向いている。ソルに即効性を足し、改良したのはジックだったからだ。

マキはだまっている。

ルース「マキタンクに惑星モーツァの座標、入力したよ!」

ルースの声が聞こえる。

仲介業者「惑星モーツァ?聞いたことない星ですね。」

マキ「まぁ、聞かなかったことにしてくれよ。ついさっき直接の依頼があったんだよ」

仲介業者「ははは!ついにマキさんにも直接依頼がくるようになりましたか。あまり無理をなさらずに。死んでしまえば、元も子もないし、今後もいい関係でいたいのでね。」

仲介業者はエイリアンを立方体の檻にいれ、レッカーのような機械で大型の宇宙船に積んでいく。

マキ「そっちもな。そんな、たくさんのエイリアン積んでいる船が、どっかの星に墜落したら、大変なことになるよ」

仲介業者「はっはっは!宇宙船の墜落事故なんて、自動車の事故より可能性低いんですから!そんなこと不吉なこと言わないてくださいよ。」

奥には多種多様のエイリアンが見えた。ここからでも猛烈な臭いがしていることがわかった。

ぼく「ほら、はやく行こうぜ。マキ。」

仲介業者「では。ここで、ご武運を。」


マキは背中越しに、じゃあなと手をあげ、マキタンクに乗り込む。


仲介業者は携帯端末を取り出す。

仲介業者「あーおれだ。ロックだ。惑星モーツァっていう星の情報あるか?あーやはりないか。少し帰り遅くなってもいいだろ?ちょっと、寄り道する用事ができたんでね。え?勝手にピンクの船と同期して惑星モーツアまで尾行するんだよ!だまって待ってろ!」


ルース「よし出発するよ!」

いつのまにかルースが運転手となっていた。

自動運転ということもあり、誰が運転しても安全であることには変わらない。

マキ「よし、船も落ち着いたね。とりあえず惑星モーツアまでこのまま漂うよ。どうだい?ここ5ヶ月間の宇宙旅行は?」

ルース「なんか怖い!わたしがエイリアンでもやっぱりなんか怖い!!はじめての生き物と出会うときって基本、恐怖だよね!」

ジック「ははは!たしかにね!ぼくは生命の神秘!そして僕自身の知識向上!ぼくはこの感動で震えているよ!」

ジックは今までの惑星のように文明レベルが地球と比べ低い星の場合、余裕がある。きっと自分がこの星で1番有能な生き物であると確信できるからだろう。

そして、興奮のしかたは順調にマッドサイエンティストの道を歩んでいる。

エリア2000外においても、余裕でいてくれたら幸いだ。


ルース「こんな、外が真っ暗なときあった?どこまで続く暗闇なんだろうね。遠くに星が、ほんの少しみえるけどどこまで遠いのか検討もつかない」

ぼく「星なんて、この限りなく広い宇宙にとっては異物に過ぎないだろ。部屋のソファの下にあるホコリとなんら変わらない。たまたま掃除をした後なんだろ。ここは。」

マキ「ホコリねえ。掃除ねえ。ミウラはほんとに例えのセンスが悪いねえ。はっきり言おう!星はホコリではなく宝石である!それは生命の輝きだろう!この5ヶ月間の冒険した結論である!」

マキはなぜか大声をだす。

ルース「わたしは飴って感じかな!缶の中に閉じ込められるドロップ飴!飴はきっと缶の大きさなんて、どうでもいいって思ってるはず!時々割れている飴もあるけど!」

ジック「宇宙は物質を作る機械だと思うよ!ホコリでも宝石でも飴でも、全部、精製してくれるんだよ。きっと、どこかに母なる惑星がある気がするし!」

ぼくを除いてマキたちは、意味不明な会話をしている。

興奮しているように見えた。

ぼく「まあ、みんな、落ち着けよ。」


ぼくらが今いる場所は、宇宙だ。

自分たちのいる場所がなんだかわからない、認識できない。そんな空間にぼくらはいる。

ぼくらは自然と声が大きくなり、惑星モーツアまでの道のりは内心穏やかではなく不安を覚えていた。


マキ「よし。じゃあさっそく捕獲しにいくよ。惑星モーツアの座標よりデータベースを開いてくれ」

ジック「うん。わかった。」

ジックは端末から宇宙船のモニターに接続する。

ジック「惑星モーツアの捕獲対象は二匹いるね。食物連鎖頂点に2体いるってこと?それはレッド指定とオレンジ指定だね。両方とも防衛連省からの依頼だけど、どっちが狙うの?」

ルース「ねえ、いきなりレッドはやめようよ。ちょっと怖くない?」

ぼく「ルース、心配しすぎだ。たかがオレンジの次だろ。」

マキ「ふふふ。ジック読み込みが甘いな。そいつらは各何匹捕獲しろと書いてある?」

ジック「え?えーと……!各10匹現地引渡しだって!!」

マキ「そういうことだ。ちなみに両方狙うからな。合計20匹だ。一気に狩りつくすよ。」

ルース「どこがちょうどいいのさあ!」


ゴーン!

爆音をあげ、マキタンクは出発した。


ぼく「あれが、惑星モーツアか」

ぼくは近くのちいさな丸い窓をのぞいた。

地球と同じように青い海に囲まれていることがわかる。

マキ「よし、着陸体制に入るよ。みんなちゃんと座って!」

ジック「うん!わかった。ルースちゃんも、はやく!」

ルース「ううう!ちょっと怖い!」


ゴゴゴゴ!ゴン!

マキタンクは惑星モーツアの大気圏を抜ける。

大気圏を抜けると、緑色の塊が真下に見える。

ジャングルだろうか。


ポン!ポーン!

軽い音がなる。マキタンクは着陸した。ふわふわと着陸する。

周りをみると、予想通り、ジャングルだった。

ぼく「降りられるか?」

マキ「大丈夫だ。開けるぞ。」

ドアが開いた。

空気はあるが地球の空気より薄い気がする。高山にいるような薄さだ。


ジック「どうするの?みんなで行動するの?」

マキ「そうだなあ。効率よく二手に別れるか。わたしとミウラは分かれた方がいいよね。ミウラとルース。わたしとジックってことにしようか。」

ルース「お!みうら!よろしく!」